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大久保俊輝の「休み中に考えたい学校問題」【第23回】

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新型肺炎対策、判断の根拠を示したい

 本日から新型肺炎対策として臨時休業する学校が多いようである。そのような中、疑心暗鬼が蔓延している。そこで、マスクの買いだめをやめることが出来るか。自分や家族のために多めに購入する事で在庫は無くなる。するとマスクが購入出来ない人が多くなり、疑心暗鬼はさらに多くの方に蔓延してしまう。
 人の不幸を気にせず節操のない人々の行動がはっきりする時を迎えている。何だかんだと自分を正当化することは出来るが、皆が安全に生活して欲しいと願い行動できる表裏のない人間性でありたい。

 私もやっと購入した3枚のマスクを洗いながら使用している。消毒液もトイレットペーパーも危機感を煽る風評によって店頭から消えている。その浅ましさは餓鬼の姿に重なる。皆に分け与える文化が日本にはまだあると信じたい。
 国から休校のアナウンスが唐突に出された。体裁を整えたようにも感じられる。さらに判断は自治体や学校でと責任は現場に任されるいつものやり方である。しかし、国が出さなくともそれぞれが判断してやればいいことである。批判ばかりして、あと出しジャンケンで国を責め、自己責任を逃れる首長他の醜態を見破らねばならない。

 さて、学校はどうするか。ここでの判断は、目的と手段の区別が出来るかどうかにある。何のためにやるのか、やらねば何が困るのか、それは誰が困るのか、本当に困るのか、あの3.11の時を振り返れば、なすべき事と、しなくてよい事、したくとも出来ない事を冷静になって判断する事となるだろう。
 判断の根拠を示し、相手を納得させ、職員の意識改革、保護者の意識改革を図り、信頼を得るチャンスでもある。何事も腹を決め臨む中に智恵が無限に湧いてくる。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

大久保俊輝の「休み中に考えたい学校問題」