日本最大の教育専門全国紙・日本教育新聞がお届けする教育ニュースサイトです。

大久保俊輝の「休み中に考えたい学校問題」【第20回】

NEWS

論説・コラム

ピンチをチャンスに

 新型コロナウイルスへの対応が連日報道されている。電車内でも咳をすると一瞬緊張感が走るようにも感じられる。
 こうした先の見えない出来事が今後は増えてくると推測される。プラゴミなどによる海洋汚染も深刻である。
 先々に生きるのが今の子ども達である。私達が解決出来ない課題を処理せねばならないことになる。それらは人間の慢心や私利から発している。

 ここに歯止めをかけられるのは、政治でも経済でもない。人間教育のみである。この道理を安易にしてきた結果が今ではないだろうか。既に地球の悲鳴はあちらこちらで聴こえ、顕在化している。今していることの先に、豊かな未来が作られるのかと個々が問わねばならない。日々の食や電気や交通などすべては地球の資源の恩恵にある。人間の欲望が分断を加速し死滅へと進む。

 春本番になると、自然界では、蜜蜂の分蜂(ぶんぽう)が始まる。女王蜂は、新たな女王蜂が誕生すると働き蜂を連れて巣を譲る習性がある。使いやすく蜜もためやすい巣を譲り、新たな巣作りへと挑むのである。それは種を繋ぐ為と考えられる。
 人間とは真逆のようだ。人間という種を絶やすことなく共存共栄していく地球市民でなければ、自滅する事は間違いない。
 新型コロナウイルスへの対応は、全人類がピンチをチャンスに意識変換をする絶好の機会と捉え、地球が与えてくれた未来再生への共通課題と捉え、私は行動したい。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

大久保俊輝の「休み中に考えたい学校問題」