大久保俊輝の「休み中に考えたい学校問題」【第16回】
NEWS働き方改革
働き方改革について論議されていたが、あっという間に答申が法律になってしまった。不安を抱えながら、いつものように動き出すわけだ。
賛成でも反対でも、よくよくその中身を理解しておかないと風評や政治の具に惑わされてしまうから気を付けたい。すなわち自分で調べて考える事である。これを意外と小・中学校の教師は苦手にしている。詳しく聴くとほとんどが理解していない 。
実際は、各自治体での運用に委ねられるから、首長や教育長の手腕や価値観が露になるだろう。勿論、校長の裁量を発揮するチャンスでもある。一律にいかない状況の中を働きやすかったと言わせる為に、知恵を絞り英断し実行したいものだ。
また、保護者の意識を変えないと誤解が生まれる。本来ならばその浸透や広報を行政が先んじてやるべきである。則ち決めつけている習慣をニュートラルに戻す事が必要なのである。
器が変わるのだから、量や質も変えねばならない。この精選はあまり進んでいない。残業なし、持ち帰りなしが仕事の基本である事を徹底する必要がある。
私は週に一回定時に施錠をした事がある。このくらいの既成概念を砕く実践を校長率先でやる時であり、やらない仕事を炙り出す時でもある。
てんこ盛りの仕事は、教師や学校風土が「やらないより」という思いで作り出す。一番にやるべきは、報告や調査などの紙事務を無くす事である。政治家や行政が一番学校の仕事を増やしている。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)