生徒指導~小学校段階での考え方~【第141回】
NEWS子どもにも「はい」と答えたい
「うん」と言う相づちを打つ癖を持つ教師がいる。仲間内ならまだよいが、対外的には実に失礼に聞こえることがある。若くして先生と呼ばれると、なぜか錯覚する傾向があるようだ。電話の応対で年上の親に「うんうん」と連発する若手がいる。これは注意しなければならない。「はい」は、始めに教えることである。
こうした日常の言語や習慣、思想は一度定着すると、大人になっても直らない。好ましくない習慣は小学校段階で修正せねば、年々、修正困難となる。勉強、勉強で世の優秀という基準に飲み込まれて修正が効かなくなってしまう。
「行動こそ雄弁」と言われる。行動こそ日々私共が発する「言葉」ではないだろうか。
「うん」は、同等か目下との会話の中で返答の一種として使われる事が多い。すべて「はい」とは言えないものか。他人行儀になるからか、せめて電話応対や接客には「はい」を用いる気持ちを持つべきだと私は思う。
子どもが「ため口」を聞いたとしても、丁寧に返すと、自らの発している言葉から心の横柄さに気付くことになる。それでも直らない時はきちんと教えねばならない。生徒指導は「はい」からすべてが始まる。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)