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生徒指導~小学校段階での考え方~【第138回】

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謙虚さの必要性

 生徒指導には「謙虚さ」が必要である。実践や経験が豊富であればこそ、強く意識する必要がある。百戦錬磨の先生が話せば若手は言葉が出ない。講義ならばそれもよいが、会議や討論になると、熱く語る若手を主役に論議を盛り上げる事が重要になる。よって、ベテランは軌道修正程度の話をすればよい。ただし、余りに弄ぶような論調が出たときはビシッと言わねばならない。

 人は調子に乗ると、相手を思いやれなくなる事がある。相手に余裕があると決めつけてしまって送ったメッセージが、とんでもない感情の衝突になってしまうことが私にもあった。「頑張って!」の意味で送ったものが、自慢に映ってしまい、こんな大変なときに何でこんなメッセージを送るのかと憤慨された事があった。電話もそうだが、SNSの文字も怖い。

 「お元気ですか」「頑張ってね」という言葉を贈ると、相手によっては嫌みに受け取られることもある。一度そのように受け取られてしまえば、修正はかなり困難になる。よって感情の起伏の激しい人や妬みや嫉みの癖のある人には、一歩引いて丁寧に伝えた方がよい。
 年は取っても性分はおいそれとは変わらない。こうした多様な人々に私達は取り囲まれている。面倒だから面白い。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

生徒指導~小学校段階での考え方~