日本最大の教育専門全国紙・日本教育新聞がお届けする教育ニュースサイトです。

生徒指導~小学校段階での考え方~【第131回】

NEWS

外国籍の子どもを守りたい

 一部メディアによる悪影響で、国の政治問題等が拡張され、さらに親の受け売りでクラスに居る外国籍の子どもへのからかいや中傷・非難になることがある。子ども故に大人以上に残酷な言葉や仕草となり、耐性のない子どもの心に突き刺さるのである。その言葉は無垢の板に鉄釘が打ち込まれるようなもので、教師が釘を抜いても傷跡は永遠に残るものになる。

 それは決まって教師の居ないところで起きる。さらに何時起きるかは分からない。では、この事態を想定してどのように生徒指導や学級指導をしておけばよいのだろうか。
 この起きることを想定した指導こそ予防の為の指導となる。事が起きてからでは、そのリカバリーは極めて困難となる訳だから、当然の事前処置である。
 しかし、今の日本はここが極めて弱い傾向にある。すなわち、事が起きてから、犠牲者が出てからしか動かないとも言える。

 下手に触らない方が、という心情は分からぬわけではないが、リスクはどちらが高いか歴然である。こうした、事前指導を躊躇する理由は、荒立てない方がよい、うまく指導できるか自信がない、という尻込みが本音である。ここにいじめに対する事前指導が功を奏しない理由が重なる。
 子どもの安心安全は、常に最悪を想定し、今打てる手をチームの智恵を結集して手探りながらも具体化するなかでこそ見えてくる。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

生徒指導~小学校段階での考え方~