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大久保俊輝の「休み中に考えたい学校問題」【第11回】

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教員養成課程の「質保証」とは

 「質保証」という言葉が大学の教職課程でも問われている。この質保証とは何に対する質保証なのかが定かでない。
 考えられるのは、教師としての質を養成段階で確実に身に付けておく事ができるようになっているかをシラバスなどの内容に照らして判断しているようだ。しかし、額面と内容が一致しない事や旧態依然の授業をそう簡単には変えきれていないように感じられる。

 先日、非常勤で勤める大学の授業を学長が参観に来られた。ここぞとばかり授業内容と学長の専門を関連させて質問を振ってみた。ユーモアいっぱいに回答してくれた。
 私の授業スタイルは、時事問題、実学、潰れない教員、伸び続ける教員となるように、その素地を耕している。それもこれも魅力的な教師に会った子どもは、才能の芽を急速に伸ばすからである。

 ここにたどり着かせるための質保証でなければ、何の意味も持たなくなってしまう。しかしながら文科省の認定は、論文で審査されることが未だに多い。
 教育実習指導講座を担当する可否に、実習生の直接指導は100人を越えても認められず、公の論文や本がなければ認めないという実態にそぐわない事を今も強いている。実務型教員からすれば苦笑されても仕方ない。生徒指導論も現実に役立たねば意味がない。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

大久保俊輝の「休み中に考えたい学校問題」