日本最大の教育専門全国紙・日本教育新聞がお届けする教育ニュースサイトです。

生徒指導~小学校段階での考え方~【第126回】

NEWS

「責めない」「比べない」をベースに

 ヘイトスピーチや差別発言には、人間の本性が出る。それらをなくして共存共栄を図るには、個々が強く意識を持たなければならない。
 今、イギリスが揺れ動いている。EUからの離脱や王族の離脱と動きが激しい。SDGsを叫ぶ中で、メーガン妃へのバッシングは、極めて悪辣で静観できるレベルとは思えない。過去のどうにもならないことで今を陥れる風潮の節操のなさが許されている。このクリアがSDGsでも一番困難かもしれない。

 また、アイヌ民族を意識せずに「一民族」と失言し、「あそう!」と言って訂正するレベルは、あまりにお粗末で常識の乏しさが目立つが、しかし、優秀な面もあるのだろう。偏った発言の多くは、人を見下す慢心から発せられている。
 師を持てないで、自分が師となると差別発言にも気づかないし、周りも言わなくなる。より深く人間の本質にメスを入れて、崇高な理性と行動によって「利他に生きる」と決めた振る舞いは美しい。今年の賀状にはそう記した。

 教師に高過ぎる給与はいらないが、国際的に低位にある教育予算は酷い。できるならこども園をはじめ、小・中学校、特別支援学校、高校、大学を全て同一の給与にしたら、あなたはどの校種へ行きたいか。私はメーガン妃の母としての健気な笑顔が好きである。生徒指導はいかなる時も「責めない」「比べない」がベースになる。その視点で時事を視る訓練が必要なのである。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

生徒指導~小学校段階での考え方~