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生徒指導~小学校段階での考え方~【第121回】

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政策の優先順位を再考せよ

 「IR」(統合型リゾート)よりも、本当に子どもへの「愛ある」の?と、政治家をはじめ多くの大人に私は厳しく問いたい。不登校やひきこもり、ゲーム障害、さらには青年の自殺が世界一という現実を知りながらも、これらの解決を最優先事項としないことが不思議でならない。政治や行政は、物と金を当てて、私達はやっていると自己弁護するが、その検証や効果はいつも不問にされている。

 分かりやすいのは、不登校対策のために配置した臨床心理士の大量配置の成果である。修士を経て資格を取れば引く手あまたであったが、資質に問題のある者も少なくない。
 自分自身の課題解決のために学んで知識を得ても、足元がぐらつきながら、他人のカウンセリングをするというケースも少なくない。よって不登校は減少してはいないのである。ある意味増やす要因にもなっていると思える。

 子どもの未来を希望あるものにするのが大人の役目ならば、取り組むべき施策の重点や順番が違う気がする。権力の強弱や省庁の駆け引きやメディアの受け狙いではなく、今すべきことをさせるのは主権を持つ私たちなのである。
 この自覚と行動を促すのは18歳からではない。明らかに小学校高学年をターゲットにする必要がある。あの伝説のスピーチをしたセヴァン・スズキは当時12歳、その動機となったのは9歳のときの授業である。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

生徒指導~小学校段階での考え方~