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大久保俊輝の「休み中に考えたい学校問題」【第9回】

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子どもの自殺

 子どもの自殺が増えている。楽しいことが待っているのなら自殺などはしない。教師も休みから明けて児童と会えることを嬉しいと思える者ばかりではない。
 人は人に会うことが喜びにもなり、ストレスにもなる。
 どうすれば自殺を防げるのか。様々な工夫や手段があっても、結局は、会いたい人が居るということに尽きるのではないだろうか。

 会いたくない、やりたくない、惨めになりたくないが重なったら、自ら足は前に出ない。無理やり押し出され、引き出されても心はさらに硬直する。
 不安は、目を見れば一目瞭然である。本人のことをじっくり考えれば、自分のことや世間のことは二の次になる。それができないで追い込むのである。要は、「会いたい」「楽しい」を学校にあふれさせればいいのだ。

 難しくはない。既成概念をゼロにして、ゼロから子どもにとっても教師にとっても楽しく、やりがいのある場にすればいいのだ。
 千代田区立麹町中の工藤校長はやっている。当たり前をやらないで、納得できることをする。それはそれぞれの立場でやれる。例えば、「冬を探そう」をテーマに外に出て、様々な思いを語って一日を終える。何より「面白い」が大切なのだ。
(おおくぼ・としき 亜細亜大学特任教授。千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

大久保俊輝の「休み中に考えたい学校問題」