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生徒指導~小学校段階での考え方~【第107回】

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冬休みを前に

 長期休業期間中に児童・生徒が事故に巻き込まれることがある。児童虐待の恐れもある。始業式で顔を会わせるまでは気が気でならない。
 子どもが孤立するようなシステムになっている家庭がある。すなわち一家団欒や一緒の食事が出来ないのである。もちろん会話も減りSNSでのやり取りになっている。教師の家庭も例外ではない。

 生活時間が異なり、出勤や帰宅の時間もバラバラで働き、学ぶ生活になっている。最小限の社会である家庭が、社会として機能しなくなっているのだ。これが成立しないと地域社会もできない。外であいさつはしても、家庭内は会話がないと吐露する方は多い。
 家庭改革の第一歩は声にある。「助かるよ」「愛してるよ」と言葉を添えるのである。

 夏休みや冬休みが終わると教師は安易に「楽しかったことは」と聞きたくなるが、その影に厳しい環境に生活する子どもがいる。そうした子どもには、妬ましく悔しい言葉になってしまう。
 働き方改革が叫ばれるが、その目的は何か。家庭という幸せを自らが再度実感することではないだろうか。仕事優先のため、家庭や健康、理性を失った人は多い。家庭を見据えた生徒指導は、あらゆる子どもたちを幸せに向かわせることでもある。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

生徒指導~小学校段階での考え方~