生徒指導~小学校段階での考え方~【第101回】
NEWS町会の役員になろう
地域と連携した生徒指導は当然のことである。なぜなら児童の生活圏は地域全体であり、その一部のエリアが学校なのだ。
地域からすると「学校は入りにくい」というイメージがどこかにある。ずかずかと節操なく、地域の教育専門機関に入られるのは困るが、入りにくいならこちらから出向いて情報交換をすればよい。この外交戦こそが生徒指導の成否を決めると言っても過言ではない。
町会の役員の高齢化は進んでいる。輪番で回る班長もよいが、できれば理事となり、より積極的に関わると、さらに様子が見えてくる。
その経験が勤務校の学区にも当てはまるものである。すなわち、双方の経験が様々な場面で生きてくる。この経験がないと、無用な遠慮や思い込みや前例に縛られて学校と地域や町会の隙間が埋まらず、時ばかりが過ぎることになる。
お勧めは、副会長あたりである。会長を支えて話し合いを進める手腕は、仕事柄お手のものであり、学校の先生の発言するインパクトは、年配者がヒートアップした時など効果てきめんで、一発で静粛にもなる。
こうした地域でのつながりが信頼の波を起こし、地域ぐるみの支援体制が教育活動全般に広がる。中でも生徒指導関連は、日頃から地域の関心も高いため、即刻効果が期待でき、情報もそれまでの何倍もの早さで把握できるようになる。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)