生徒指導~小学校段階での考え方~【第75回】
NEWS高学年女子児童のグループ化
なぜか高学年女子はグループを作る傾向がある。それは本能なのか、親達を見ているからなのか。
ここで、下地として生徒指導や道徳を機能させるわけだが、そうたやすくことは進まない。女子のリーダーに任せる方がことは一見うまく進むように思えるが、その器でないと、解離が始まる。「リーダーに任せる」と「リーダーを育てる」の両面を意識しなければならない。単なる好き嫌いでやると行き詰まるものである。
この時期の心理と身体の発達のアンバランスと、男女の精神年齢の差は極めて大きい。その意味で、その特性や成育や家族状況などを把握して働き掛け、組み合わせることやグルーピングをする必要がある。
その実態は一番長い時間を過ごす授業の中でこそ、個々の心情や協調性などをつかむことである。授業の中で勝負する、把握する、と決めて臨むべきなのである。
教師の価値観や言動から子どもたちは多くを比較しながら学んでいく。すなわち様々な時にその判断を見ているのである。
ある時、私のことを父親が小馬鹿にしたらしく、それを聞いていた子どもが「知らないのに何で悪く言うの?」と立ち向かったことを母親が微笑ましく伝えてくれた。
親よりも教師の考えに敬意を払い、教師が親をフォローするという関係が出来る、SDGs(持続可能な開発のための教育)となっている。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)