生徒指導~小学校段階での考え方~【第71回】
NEWS 教育評論家のコメントのほとんどは、「こうなりやすいので、こうあるべきだ」と、まとめる。言うだけなら誰でも言える。そこまで言うなら、現場に来て、やって見せてから、話してもらいたいと毎回感じる。
特に実践なき者の評論を見ると、またか、と学校現場でまじめに汗する教師達は呆れると共に腹立たしく感じるものである。
困難事例に関わったことがないから、安易な評論ができるのであろう。ある意味、評論出来る立場になってから、さも知ったかのようなペラペラと評論をする。こうした評論家の本を読んでも、誰かに書かせたような教育現場を知らない、読むに耐えないものが多い。
また、謙虚さに欠ける表現も多く、内容に見合わない高額な講演料を要求する例をよく耳にする。すなわち、金のためにやるビジネスなのだ。学校現場で必死に汗する教員の思いとはかけ離れた生活をされる評論家をメディアは安易に用いるが、それも金のためであろう。
「同苦する」という言葉があるが、その姿勢に立ち、行動してこそ、初めて現場目線で教育現場を勇気づける「意味ある評」、即ち、追い風を送ることができる。現場はバラエティーではない。日々背水の陣である。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)