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生徒指導~小学校段階での考え方~【第67回】

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文科省の「問題行動調査」に思う

 文科省から、いわゆる「問題調査」の結果が出された。過去最悪の数値となったが、それは意識が高まったからであるとまとめたようである。この結果をなるほどと納得するだろうか。だから何ですかと問いたくなる。
 臨床心理士を大量増員し、様々な手立てを講じても、不登校が明らかに改善されたという声は聞こえてこない。うわべだけの会議や対処療法的な対策をして、学校現場をさらに多忙にしているのではないのかと問いたい。
 日本の青年の自殺率は高い。また、東京都の管理職の欠員は激しく、引き受け手が足りない状況が長年続いている。この2点を取って見ても、病巣はどこにあるのかを見極め、早急に対処すべきではないのかと思う。子ども達の未来に暗闇が立ち込めているなら、その暗黒を希望に変えない限り前へは進みたくはないだろう。
 コマーシャルで教師の魅力や学校の面白さ等がなぜ放送されないのか。スポンサーがいないからか。大人の醜さと犯罪と言い訳ばかりを、子どもや青年に見聞きさせ、あれをするな、これはするなと圧力を掛けても「あなた方がまずやって見せてください」と思うのではないだろうか。
 今回の調査結果を学校現場が敏感になった結果とするなら、政治や行政は鈍感になっているのではないのか。税金である俸給を頂く全体の奉仕者として後に恥ずかしくない生き方を示したいものだ。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

生徒指導~小学校段階での考え方~