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生徒指導~小学校段階での考え方~【第63回】

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神戸市の「教員間いじめ」に思う

 人事には功罪がある。管理職をどのように育成し配置するか。中でも政令市教育委員会の裁量権は大きい。同じ学校で採用され、管理職で終えるというケースがある。
 すなわち保護者も地域も教え子も多いから、何かと上手くいくという消極的な人事である。だからこそ今回、注目を集めている神戸市の小学校のように力関係が継続する場合は少なくない。主導権があるならまだしも逆の場合は指導が入りにくい。
 内部昇格は、是々非々で判断できない者は対象としないのが鉄則である。前任者の威光が邪魔をして適切な判断、決断が鈍るからである。多様な変化と刻々と進展する学校運営は、保身があっては勤まらない。また、改善は当然のことであるから、波風は自ずと立つ、教頭と校長は明らかに違う。学校の経営者は唯一校長ひとりなのである。
 この点を考慮して最良の効果が出るように情報を集め、出向き、熟慮し、指導し、支援し、配置するのが人事担当者である。資質力量は様々であるから、単なる駒回しでは務まらない。
 中には、やらねばならないと思っても出来ない者もいる。そこに手を差し伸べるのが指導・監督をする教委なのだ。また、校長人事は教育委員会会議の承認事項であるから、その責は極めて重い。「善きに計らえ」に高額な税金を払う愚はやめるべきだ。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

生徒指導~小学校段階での考え方~