生徒指導~小学校段階での考え方~【第62回】
全校朝会で話す
全校朝会で校長講話があった場合、その内容が子どもに届いたかは、子どもに聞くのが一番分かりやすい。短い話は良くて長い話は歓迎されないことといったこともあるが、問題は中味である。生徒指導に関する話は即効性が求められるから、子どもの心に響かないと時間のロスになる。講話への評価を見事に出すのは2年生の後半から3年生辺りではないか。歯に衣着せずストレートでよい。
敢えて5年生、6年生を対象に意識させねばならないときは、4年生以下と特別支援学級には担任から講話の内容を噛み砕いて説明してもらうよう依頼する。ここで見落としかねないのが、特別支援学級への配慮である。
小学校では、低学年・中学年・高学年と分ける場合がある。この根拠は何か。
新1年生と新2年生では中学校1年生と高校1年生程の差があるように感じている。また、3年生と4年生はエネルギーにあふれ反抗期が始まり、女子の発達が加わる。スパイラルやクロスと複雑になる。
5年生と6年生の開きは見えやすいが、身体の変化も加わり大人の人格が見え始める。
小学生と一言で言っても、実際は、言葉の理解もままならない段階から、大人の裏を読む域にまで広がっている。一色単にして指導をし、内面にまで注意を行き届かせねばならない。全校指導では、至難の技が求められる。
平坦で先の分かる話では、刺さらない。身近な出来事から紐解き、ひとりひとりの考えに差し込んで、葛藤させ、思考させて、安直な答えを出さずに、あえて消化不良をさせることが深い学びへと誘うことになる。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)