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生徒指導~小学校段階での考え方~【第52回】

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カリキュラム・マネジメント

 「生徒指導」という言葉はよく知られているが、「カリキュラム・マネジメント」は今一つではないだろうか。まるっきり関係ないように感じられるだろうが、実は同じスタンスなのである。これには道徳も「総合的な学習」も、さらにはすべてが共通していることに気が付くだろうか。学者はカタカナや新しい切り口を出すことで存在感を示す性格がある。これが学校現場を混乱させる。
 人は総合的に統合知で生徒指導を意識しながら、学んだ知識や経験を活用し応用し、つなげて、さらには見当を付けて日々の課題を考え解決しながら生きている。
 これを学者が教科等と称して他との差別化を図り、探究して専門化したことで優位性を持たせ、顕示して、人の日々の生き方と乖離させたのである。それは学究の性格上やむをえない。指導実践とは異質なのであるから、真に受けないことである。
 よって、分野と分野をつなげる必要から「総合」等と名を付けて面舵一杯としたものの、なかなか向きが変わらないためにあわてていることが「社会に開かれた」「汎用性」「議論」等の言葉で見えてくる。
 生徒指導や道徳等は以前から教育活動全般を通して行われるべきとされるように一貫している。こうした横の串刺しは小学校の場合、すんなり理解できるが、中学校・高校は教科の障壁があるため、串が通りにくい。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

生徒指導~小学校段階での考え方~