日本最大の教育専門全国紙・日本教育新聞がお届けする教育ニュースサイトです。

生徒指導~小学校段階での考え方~【第48回】

弁護士と共に保護者対応(上)

 どこにでも噂があるだろうが、噂には尾ひれや悪意が含まれやすいので、鵜呑みにはしないことである。よき理解者が突然、「モンスター」のようになるときがある。特に、本来ならば理解者であるはずの元教師に注意したい。権力に無防備で怯える教師や学校を身をもって知っているからである。
 自分の主張が通らないとか、妙な正義感をかざして、学校組織を知っているだけにやや痛い所を突いてくる。
 このような例がある。父親が防衛省の官僚で、妻は元教員であり、機転の利く素敵な子どもだったが、ある日、悪意のある面々にそそのかされてメールを使って、いわれない攻撃を始めた。勢いがつくと真実のようになりかねないため、被害者に弁護士を紹介して内容証明郵便を送らせた。返答がないため、父親の勤務先に送った。
 その数日後、父親の勤務先が急遽遠方に決まり、あわてて転居していった。因果関係はハッキリしないが愚かな大人に振り回された子どもは哀れである。原因が内容証明郵便にあったとしたら、ひとつの打開策には変わりはないが、どうも後味はよくない。しかし、また、先の地で周りを振り回していると考えると、きっちりと引導を渡して観念させねばならなかった事案である。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

生徒指導~小学校段階での考え方~