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生徒指導~小学校段階での考え方~【第32回】

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授業満足度「5」のベース

 大学では学生の授業アンケートがある。昨年来「5」という評価がほとんどの講座で連続している。人数の多い講座は100人規模で教職希望の学生とは限らない。コメントも、本当に深く考えた。
 <凄く勉強になった。これからの人生に役立つ。最高の授業だった。>といった評価を受ける。この授業展開のベースには小学校での授業や生徒指導から得たものを私は用いている。
 最高評価ではあるが単純に喜ぶことはできない。なぜなら、この程度の授業で良いのかと自問自答しながら臨んできたからである。
 授業料や学費に見合う授業をできたと思えない。仕送りされる親の顔が浮かぶ。ギリギリまで「どこで何を問うか」と模索している。この習慣は、教師なら外せない姿勢なのである。
 だから、他の先生の3倍はやらないと申し訳ない。分かりやすく、面白く、納得させることはできない。心掛けているのは、生徒指導の機能を存分に発揮させるために、自己決定の場を、確かな自己存在感を、そして一段深いところでの共感的な人間関係を構築出来るように意識し、楽しみながら仕掛けている。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

生徒指導~小学校段階での考え方~