生徒指導~小学校段階での考え方~【第28回】
NEWSSCやSSWの適任者とは
臨床心理士を学校へ派遣をする立場にいた時、事前に学校現場の様子を確認しようと出向いたことがある。明らかに機能不全を起こし、あらゆるところに不信感がまんえんしていた。その要因をいじめが解決しないからとし、高学年で手に負えないと決めつけ、臨床心理士を要請したことが分かった。
これは明らかにお門違いで、仮に派遣したとしても手に負えない実態であった。問題は校内の規律とリーダー層の意志統一がなされていないのである。これは学校組織マネージメントやスクールソーシャルワーカーのエリアであった。その後、私が授業示範も含めて頻繁に関わり復活できたケースがその後何件も続いた。
その意味では、スクールソーシャルワーカーは困難校を立ち直らせた歴戦の管理職や生徒指導等の経験者こそが最適なのであると痛感している。しかし、相変わらず資格優先の採用基準があり、現実に合わないもどかしさを感じる。傍観の助言や同情ではなく共に汗する歴戦の者こそ適任ではないだろうか。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)