生徒指導~小学校段階での考え方~【第13回】
NEWS自分以上の人を育てる(上)
人を育てるのに、自分の言うことを愚直に聞く人間を育てるか、もの申すがやがて自分を越える人間を育てるか、この2種としたら、あなたはどちらで、どのように育ってきたかと問いたい。
学会の登壇者として中枢メンバーと意見交換を重ねたことがある。率直に言えば、権力者に表面だけ媚びへつらい、その冠を借りて自分の立場を得ようとする本心が行き来して見えた。それが生徒指導を語り、研究成果を述べているだから伝わっては来ない。
この親分子分の関係は、社会の随所で目にするが、本来の「守破離」とは異なる。非常勤で出向いている大学の事務担当が本音を漏らした。一度採用すると辞めさせられないんですよ、と。この大学での授業評価に、4年間で最高にためになった授業でした、と書いてくれた学生がいた。嬉しい反面哀れにも思えた。
小学校の生徒指導は発達段階を個々に見極めることが求められる。100人100通りなのである。しかし、共通して響くものがある。そこへ働き掛ける仕掛けができれば難しくはない。詰まるところ全校集会などでの校長、生徒指導担当の話し方に力量と人間力が現れる。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)