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生徒指導~小学校段階での考え方~【第11回】

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教科・指導

多忙化の陰で(上)

 ここ数年は、教育界に新しいカタカナが飛び回っている。「アクティブ・ラーニング」がもてはやされたかと思えば、「カリキュラム・マネジメント」がつかめずに苦慮する学校現場等からの講演依頼を多く受けている。借りてきて、真似ればOKと削ぎ落とすことを教えているからだろう。まじめな教師は、まともに受けて、さらに多忙にしていく傾向がある。
 この多忙で生徒指導に影響が出る。生徒指導は教師の感性が磨かれていないと、子どもの発する信号が受信できない。多忙とは多くの感じる心を亡くすことに通じるのである。
 働き方改革は叫ばれるが、その実行は個々に委ねられる。ある意味、本人次第とも言える。不平等にならぬように給与に見合った仕事をこなす必要が当然ある。この秩序の作れないところには活力は生まれない。また、できないこと、やれないことは書かないことも必要である。
 学校経営案、学級経営案の羅列によく出会うが、その一つ一つをどこまでできたか確認してみた。また、指導案の目標がどの子がどこまでできたか確認してみた。実に曖昧なのである。そして次々と仕事増やすことを美徳とする傾向がある。教育経済とは最少の労力で効果を挙げて、余暇を産み出し思索の時間に充てることなのである。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

生徒指導~小学校段階での考え方~