東京・青ヶ島の学校から~日本一人口の少ない村の学校での取り組み~【第1回】
NEWS伝統芸能を引き継ぐ「島踊り講習会」
「一つとせ 人里離れた池の沢 通る人影懐かしい。二つとせ…」。多目的ホールに法被を着た大勢の大人たちと東京都青ヶ島村立青ヶ島小中学校の子供たちの歌声が響き、輪になって一生懸命踊りを練習する姿がありました。
6月27日(木)午後1時20分から、青ヶ島小中学校で青ヶ島郷土芸能保存会の方々が小中学生に「島踊り講習会」を行ってくれました。島踊り講習会は青ヶ島小中学校では毎年恒例で年2回開催されています。習った島踊りは、夏に開催される島の一大行事の「牛祭り」や秋に開催される運動会等で、お年寄りから子供まで島民みんなで踊ります。
青ヶ島の島踊りは江戸時代の頃から島民に親しまれてきました。厳しい自然環境にさらされた島の暮らしの中で、娯楽の少なかった時代に島民にとって唄と踊りは一番の楽しみでした。
この青ヶ島の郷土芸能を後世に伝えるため、平成15年に「青ヶ島郷土芸能保存会」が発足し、平成23年には青ヶ島の島踊りは東京無形文化財に指定されました。青ヶ島郷土芸能保存会は発足以来、島の子供たちに島唄・島踊りを伝え続けています。
青ヶ島郷土芸能保存会の会長、菊池正さんは「島踊り講習会は、次の世代の子供たちに、青ヶ島の伝統芸能を伝えるとても貴重な機会だ。子供たちには、青ヶ島の未来を担うような立派な大人に成長してほしい。」と話していました。
青ヶ島村の伝統芸能を引き継ぎつつ、地域を誇りに思う子供たちを育てていきます。
(木下和紀・青ヶ島小中学校校長)