海外の教育のしくみをのぞいてみよう 日本、ブラジル、スウェーデン、イギリス、ドイツ、フランス
13面記事
園山 大祐 編著
学校生活や制度の実際は
大谷翔平選手のように、海を渡り外国で力を付けようと考える人が珍しくない時代。子どもを伴って外国に赴くこともある。その場合の心配の一つは、海外の学校生活はどうなるか、日本とどう違うのかということだろう。また、留学を考えている人も実際の教育状況について情報を得ておきたいだろう。
本書は、11人の教育研究者等が、日本の他、ブラジル、スウェーデン、イギリス、ドイツ、フランスの教育制度や学校生活の実際について、現地での訪問や聞き取り調査などを基に日本との比較で感じたこと、印象に残ったことなどを疑問に答える形で紹介。
ブラジルでは多くの学校が半日制で生徒も先生も学校に長居しない、スウェーデンの基礎学校は授業料・学用品・給食費を含めて無料、イギリスでは資格試験の結果で義務教育修了となる、ドイツでは各州がそれぞれ異なる学校制度や教育政策を展開している、フランスでは義務教育の教科書は貸与制等々、さまざまな実態が分かる。他にも障害のある子どもの教育、日本人学校やインターナショナルスクール等の状況にも触れている。
第7章の座談会では、それぞれの経験を基に各国の掃除や部活動、宿題、高校入試の状況、日本の教育に導入してほしい仕組みについて語り合っている。快適な学びの場をつくるための学校運営や教育政策などを考える際の参考にもなるだろう。
(3300円 明石書店)
(正)