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公立高の併願入試を検討へ 文科省

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文部科学省

 政府のデジタル行財政改革会議で22日、石破首相が公立高校入試の単願制の見直しを指示したことを受け、文科省が併願制導入の可否などについての検討を始めた。会議では、合格基準点を満たした高校の中で、最も志望順位の高い高校に入学できるシステムが提案されている。ただ、同省では「偏差値による序列化が進み、高校の魅力化に逆行する恐れがある」などとして慎重な姿勢を示している。
 高校入試の併願制導入は、同会議で慶應義塾大学の中室牧子教授が提案した。これまでの単願制で「安全策」を取って第2志望を受験していたような中学3年生に、積極的な進路選択を促す狙いがある。
 ただ、現在の仕組みのまま併願制を導入した場合、入学辞退者の増加に伴う欠員対応などで高校側に大きな負担が生じる恐れがある。
 そのため、会議では、試験結果と志望順位を基に入学先を決定する新たなシステムの導入が提案された。合格基準点に達した高校の中から、志望順位の高い高校が自動的に入学先として割り当てられる仕組みを想定している。
 併願制自体は、現在の制度上でも都道府県の判断で導入可能だが、実施しているのは愛知県など一部に限られる。
 こうした「マッチング・システム」について同省の担当者は、「志望校の中から試験結果の点数を基に自動的に入学先が決まる方法では、教育内容や校風から志望校を選んだ生徒が入学できなくなる」と指摘。高校入試のあり方として懸念点が残るとしている。
 今後、どのような形で制度設計の議論をするかは決まっていないとしている。

文部科学省

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