給特法改正案 衆院で審議入り
NEWS 教職調整額の段階的な引き上げを柱とする教員給与特別措置法(給特法)の改正案が10日、衆議院本会議で審議入りした。教員の労働環境が厳しい中、優秀な人材確保をしていくために処遇改善や働き方改革を進める。成立すれば法制定後初めての教職調整額引き上げとなる。
改正案では、現在基本給の4%分を上乗せして支給している教職調整額を令和8年度1月から毎年1%ずつ引き上げ、令和12年度に10%にする。また、学級担任をしている教員へ義務教育等教員特別手当を加算する。
学校現場での働き方改革を進めるには、教育委員会の役割も重要になる。教員の業務量の適切な管理や、健康・福祉の確保策を盛り込んだ計画の策定・公表と、総合教育会議への実施状況の報告を教委に義務付ける。
学校運営体制の充実策としては、学校教育法を改正し、若手へのサポートや学校内外の連絡調整を担う「主務教諭」を創設する。
法案を巡って一部の教育関係者などからは「残業代を支給しない仕組みを維持していては、長時間労働は改善しない」として残業代の支給を求める声もある。時間外在校等時間の縮減に向けた実効的な施策をどう推進するかも議論の焦点になりそうだ。
10日の本会議では阿部俊子文科相からの趣旨説明後、与野党による質疑が行われた。(11日付電子版で詳報)