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ぼくのなまえ

12面記事

子どもに読ませたい本

三次智暉 作 さわたきしずく 絵

 著者は現役の中学校教諭。最近子どもたちがお互いの名前を「さん付け」で呼ぶことを奨励する学校が増えてきていることに、違和感を持ち執筆した。
 主人公は、「けんた」。お母さんに朝起こされるときは「けんちゃん」、叱られるときは「けんた」。いつも一緒に遊んでいるアキラが誘うときは「けんた」。家族や友達から呼ばれるとうれしかったり、ウキウキしたりする。でもある時、顔は知っているけど名前を知らない子から「ケン」と呼ばれ、なんだか嫌だと感じた。誰にどう呼ばれるかで感じ方が違うのだ。
 作者は、どう呼び合うにしても、「お互いの信頼関係」が一番大事で、本書を通して、子どもの視点に立ち、信頼関係を築くことの大切さ、名前を呼ぶに当たって相手との関係性を考える必要性を伝えたいという。(小学校低学年から)
 (1320円 文芸社)
 (Tel03・5369・3060)

子どもに読ませたい本

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