忙しくてもなぜか余裕のある先生にだけ見えていること
12面記事
川端 裕介 著
仕事の見方変え負担軽減
「校務分掌なんてしたくない」「職員室にいたくない」「担任は楽しいことばかりだと思っていたのに」「授業を工夫する暇なんてない」「あの先生ばかり目立って…」という言葉に反応した読者に向け、校務、職員室の人間関係、学級経営、授業づくり、キャリアのプレッシャーをテーマにした各章を用意する。
全体を貫くのは、第1章の副題にもなっている「重たい仕事が軽くなる基本原則」である。その第1章では視野を広げ、複数の視点から仕事を見つめ直すと、仕事への考え方や関わり方が変わる。仕事の見方が変わることで、気持ちが楽になり、負担感が減り、結果的に楽になるという取り組み方を提示する。
例えば「余裕を出したいなら仕事を減らすな」。「たくさんの仕事が目の前にあれば、仕事をうまく捌くトレーニングができるから」と前向きに捉える。仕事の総量を把握し、仕事にかかる費用を見積もり、複雑化した場合も考慮して仕事の変化を想定するなどの視点を持てば、仕事を構造化し、同僚の仕事のペースも組み込み、質・量の変化に備えて事前対策を立てることができる。
「校務」では仕事を仕分けると負担が減る、「職員室の人間関係」であれば各人の持ち味を組み合わせる意識を持つ、「学級経営」は子どもらの参画度で評価する、「授業づくり」では余白と余地を残す型を目指すなど、仕事に向き合う際のヒントが詰まっている。
(2200円 明治図書出版)
(矢)