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誰も教えてくれない「基本のもっと基本」 教師1年目の学級経営

12面記事

書評

熱海 康太 著
リアルな失敗例で分かりやすく

 今春も全国各地の学校で、新しい先生が誕生する。教師としての一歩を踏み出す希望も大きいだろうが不安な思いも抱くことだろう。未来を創る子どもたちを育んでいく仕事はやりがいを感じるものの、現実は厳しいこともあり、思い描いた通りに進まないこともある。1年目の先生方は悩むことが多いだろう。そんな時、実践書として本書は大いに参考になるのでお薦めだ。
 本書は、大きく三つのPartで項立てされ、悩みに即対応できるポイントが65例示されている。一つの例を見開きで解説し、一目で内容が捉えられるように構成が工夫されている。特に1ページを割り当てた「先輩の失敗から学ぶゼッタイ避けたいNGポイント」が秀逸。リアルな失敗例は印象に残るもの。先輩の失敗を参考にすることで、良い実践につなげられるだろう。
 シンプルな中にも内容は充実したものとなっている。悩みが多そうな項目に対し、ずばり一言で回答を示した上でさらに三つのポイントにまとめて解説しているので、大変分かりやすい。その点も魅力だ。今、悩んでいる項目に特化して読み進めればいいので実用的。タイトルは「教師1年目の」とあるが、何年目であっても悩んだら抱え込まず、書籍からも学び取ればと思う。まずは一歩前へ進むためにも手にされたい。また、自身の学級経営を振り返ってみる上でも参考になる。
(2200円 学事出版)
(藤本鈴香・大谷大学教職アドバイザー)

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