一刀両断 実践者の視点から【第668回】
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同質思考と自滅
多くの教育者、つまり教師は、否定や批判に対して敏感で、精神的に打たれ弱い傾向がある。否定されると、落ち込む、反発する、あるいは聞き流すといった反応に分かれる。もともと、批判を受けることの少ない環境で育ち、言い争いを避ける傾向が強いため、理不尽な抗議や中傷を受けることは想定していない。
教職課程でも、批判への対処法を学ぶ機会はほとんどない。指導する教授自身も、学生に批判や異論を許さず、時には「単位を与えない」といった圧力をかけることさえある。これに対し、営業職の人々は、1日に100件回っても門前払いを食らい、時には罵倒されることもある。教師や教授が同じ状況に耐えられるだろうか。
教育者は、「教育は大切ですよ」と伝えるが、それを必要としない人や関心のない人もいる。その場合、否定や批判を受けるのは当然のことだ。他者からの否定や批判を受け止め、それでも相手を納得させることこそが指導力である。
私は授業で、学生に意図的に批判を促してきた。なぜなら、批判こそが私自身の成長の糧になると考えるからだ。教師の指導力が伸びなければ、学生の潜在能力を引き出すことはできない。
このような姿勢を歓迎する組織もあれば、排除しようとする組織もある。最終的な結果は未来に現れるだろうが、同質的な思考に固執し、自滅する組織はあまりにも多い。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。千葉県教委任用室長、主席指導主事、大学教授、かしみんFM人生相談「幸せの玉手箱」パーソナリティなどを歴任。教育講演は年100回ほど。日本ギフテッド&タレンテッド教育協会理事。)