一刀両断 実践者の視点から【第664回】
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飲酒運転と脳梗塞
酒酔い運転で64歳の教員が起訴されたという。運転していた自動車がガードポールに衝突したとの記事を読んで、情けなくなった。これが一般の民間人だったら、どのように扱われていただろうか。そもそもニュースにもならなかったかもしれない。
要は自爆事故であり、被害者はいない。しかし、免職になることは間違いないだろう。このような愚かな結末を迎えることは予想できたはずであり、冷静さを失っていたことが推測される。
私自身も、脳梗塞の自覚がないまま運転し、ガードレールにぶつかったことがある。しかし、そのときは認識がなく、家族が車の損傷を確認して私に伝えてくれた。
記憶が定かでないほどの状態だったのだから、大変な危険があったわけである。「何となく感覚がおかしい」という程度の違和感だったが、翌日、緊急入院することになった。
この経験から、「何となく感覚がおかしい」と感じたら運転をしないこと、そして直ちに病院へ行くことの重要性を痛感した。常に最悪の事態を想定する心構えが必要だと身に染みて感じた。
また、年を重ねるほどに、周囲からの忠告を素直に受け入れることの大切さを実感している。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。千葉県教委任用室長、主席指導主事、大学教授、かしみんFM人生相談「幸せの玉手箱」パーソナリティなどを歴任。教育講演は年100回ほど。日本ギフテッド&タレンテッド教育協会理事。)