一刀両断 実践者の視点から【第663回】
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争いの本質
トランプ氏の素早い対応は、政治家というより戦略家としてビジネスをしているように見える。しかし、その先に人命が脅かされているのだから、たまったものではない。
母親から生まれた命こそ、何にも勝るはずだが、領土や資源、思想が優先されている。私たちは、争いの本質について真剣に議論したことがあるだろうか。こうした普遍的な教養を身につけることが軽視されている。
以前、校長研修会でも教養を高める講座を企画・運営していたが、財源カットにより、すぐに廃止されてしまった。
リーダー同士の口論が激化すると、さまざまな圧力が生じ、その隙を突いて攻撃が激化するという、極めて分かりやすい空中戦が世界中で繰り広げられている。この愚かさはなぜ繰り返されるのか。
教師は目の前の児童・生徒にどのように考えさせていくのだろうか。しかし、今の教員養成課程で、それを指導できる教師が育成されているとは思えない。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。千葉県教委任用室長、主席指導主事、大学教授、かしみんFM人生相談「幸せの玉手箱」パーソナリティなどを歴任。教育講演は年100回ほど。日本ギフテッド&タレンテッド教育協会理事。)