教員の働き方を保護者が学ぶ 千葉・船橋で集会
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保護者の立場から教員の働き方について考える集会が22日、千葉県船橋市内で開かれた。現役教員らが働き方について説明すると、参加者からは、教員の労働環境の現状への驚きの声や、保護者も一緒に取り組むべきだと訴える意見が挙がった。
同市内の小学校のPTA会長らが主催。教員の働き方に関心を持つ保護者や教育関係者らが対面・オンラインで合わせて108人集まった。保護者以上に長く接することのある教員の働き方は子どもに影響があると考え、企画したという。
集会では、岐阜県立高校教員の西村祐二さんが講演した。
西村さんは「82時間」「100時間」などの数字を示すと、それぞれ小学校と中学校の持ち帰り仕事を含む教員の1カ月当たりの時間外労働時間だと説明。その上で、公立学校の教員には4%の教職調整額が出るが残業代は出ないと話すと、会場からはどよめきが上がった。また授業準備や生徒指導に十分に労力を割けない現状があるとして、子どもの教育を受ける権利の観点からも問題だと強調した。
同市内の教員も登壇した。勤務時間外に不登校生徒の家庭訪問や成績処理、授業準備などさまざまな業務をしていることを紹介しつつ、同市内では休退職者や未配置が多く、2クラスまとめて授業するなどの対応もしていると説明。「忙しい中でもいい授業をしたいと思っている先生はたくさんいる。そういう先生たちを皆さんの力で助けていただければ」と訴えた。
参加した保護者からは教員の働き方について「民間感覚からしたらありえない」との声や、教員と保護者で協力して子どもを育てていく必要性を訴える声が上がった。また、周囲の保護者にも学校の現状を伝えていきたいとしつつも、子どもが卒業すると関心が薄れてしまい、継続的に訴えていくのが難しいと、課題を指摘する意見もあった。