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交流で世界をつなぐ 第15回日本語交流プログラム 海外教師日本研修レポート

8面記事

企画特集

研修報告会では参加者が口々に感想やアイデアを言い合った

 公益財団法人博報堂教育財団が「第16回日本語交流プログラム」日本参加校募集の準備を進めている。日本と海外の生徒同士が日本語を通じて交流し、互いの理解を深めるこのプログラムでは、海外から累計で約170名の日本語教師と約520名の生徒たちが来日している。昨年11月に実施された本プログラム内「海外教師日本研修」の様子と、日本と海外の生徒が交流するプログラムの全体像を紹介する。

日本語でコミュニケーションを重ね、国境の垣根を越えて希望を受け継ぐ
相互理解と成長のきっかけに

 「日本語交流プログラム」は、日本語を大切にしながら異文化体験や国際交流をすることを通じて、海外の生徒と日本の生徒が互いの理解を深め、「文化の異なる人と、社会的課題に向かってともに行動できる人」への成長のきっかけとなる場の提供を目指すもの。海外の中等教育機関(日本の中学校に相当)で日本語を学ぶ生徒を日本に招待し、日本校への訪問や同世代の生徒との交流、日本の文化・社会体験などを行う。第16回となる今回も海外から約10カ国を一同に招聘予定だ。
 本プログラムは(1)海外教師日本研修と(2)日本語交流プログラム(生徒参加)の2つに分かれる。(1)では、生徒たちが参加する(2)の内容をまず海外校教師に体験させ、自国の生徒への指導法を考えてもらい、(2)で実際に生徒たちに日本校の生徒と交流しながら、日本文化や日本語を体験・理解してもらう。本プログラムが参加者に「日本語での交流」を課しているのには、日本の中学生にイニシアチブをとって海外校とのコミュニケーションを促進してもらい、自己肯定感や探究のマインドを育んでほしいという思いがある。
 過去には台湾、インド、オーストラリア、ブラジルなどさまざまな国が参加し、日本からは公私立の中学校が海外からの生徒と教師を受け入れている。

生徒に伝えるために日本を知る
海外教師日本研修

 海外教師日本研修は11月、およそ3週間にわたって行われる。
 第15回の参加者は11月11日に来日し、11月29日の帰国まで国際交流基金日本語国際センターの講師によるさまざまなプログラムを受講。さらに、日本参加校2校の訪問、本プログラム審査委員長の阿部祐子教授(国際教養大学)による特別講演など、海外教師らは濃密な日々を過ごした。帰国前日の研修最終日には研修報告会を実施。生徒の日本での体験価値をより高めるため、おのおのがテーマを設定し、研修成果を発表し合った。

自由なテーマ設定で日本語発表
研修報告会

 第15回の海外教師日本研修の閉会式当日、10名の海外教師らはそれぞれが日本で学んだことをもとに自国の生徒のための授業案を作成し、発表した。漢字の意味や自己紹介などテーマは多岐にわたり、海外教師はディスプレイに資料を投影しながら、自国生徒のために練り上げた授業案を日本語で発表。発表を聞いた参加者が感想やアイデアを言うと、発表した海外教師は熱心に耳を傾けていた。「優先席の表示があったら席を譲る」など生徒の行動に結びつけようとする授業案もあり、海外教師の目的意識の高さがうかがえた。
 修了式では、日本語国際センターの佐藤郡衛所長から「授業案の目標設定がしっかりしている。3週間の成果がしっかり表れていた」というメッセージを贈られた後、それぞれに参加証明書が授与された。最後に全員で記念写真を撮影する時には、今まで以上に仲良く笑い合う様子も見られた。自国生徒と参加する日本語交流プログラムに向け、収穫の多い研修になったようだ。

賞状を受け取り、一列に並ぶ海外教師ら

第16回 日本参加校募集!

 国内・海外の中学生世代が日本語を通じた異文化体験や国際交流により、お互いの文化理解を深め、国際人として成長する機会の提供を目的とした事業です。下記の日程で、日本からの参加校を募集予定です。詳細は5月中旬以降、ホームページをご覧ください。
 https://www.hakuhodofoundation.or.jp/globalnetwork/

第16回 日本語交流プログラム

・実施期間=2025年11月~2026年5月(予定)

・主な交流内容=海外教師・生徒の日本校訪問、合同合宿、ホームステイなど

・募集日本校数=中学校1~2校程度を採択

・参加者規模
 日本校=日本校訪問時(学校・学年単位など学校判断)・合同合宿、ホームステイなど(1校あたり20名規模)
 海外校=世界10カ国の国・地域より1校あたり生徒4名と教師1名が来日
 ※オンライン交流は学校間で調整

・助成内容
 プログラム活動費(交通費/宿泊費/食費/施設利用費/保険加入費など)
 オンライン交流活動推進費(1年コース=100万円)
 ※詳細はホームページ参照
 応募申請書受付期間=2025年5月中旬~7月下旬

プログラム年間スケジュール

2025年5月 募集開始(5月中旬)~募集締め切り(7月下旬)
10月上旬 日本参加校の決定通知
11月 海外教師日本研修(11月10日~11月28日)(予定)※教師のための事前研修
2026年5月 日本校と海外校の交流プログラム(5月13日~5月26日)(予定)

 公益財団法人 博報堂教育財団
 〒100-0011  東京都千代田区内幸町2-2-3  日比谷国際ビル14階
 Tel=03-6206-6266 FAX=03-6206-6582
 https://www.hakuhodofoundation.or.jp/

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