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一刀両断 実践者の視点から【第651回】

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保険の内容をよく知ろう

 大船渡市で発生した山林火災が広範囲に広がっている。津波被害で支給された物資を使えずに保管していた老人たちが、次々と車に積み込んで避難していた。一番の災難は地震、雷、火事、親父ではなく津波とも思えるが、今回の山火事も恐ろしく、時間的な猶予は多少あるものの、家は移動できない。
 気になるのは、火災保険の対応である。被害額が相当な規模になると想定されるが、十分に補償されるのか疑問に感じる。教員は「付き合い保険」として加入しているものの、その補償内容について詳しく理解していないことが多いように感じる。他の職種と比べ、お金に対して無頓着な傾向があるように思う。
 さらに、日本の保険が海外の保険と比較にならないほど手厚くないことさえも、あまり認識されていない。
 私たち教員は、詐欺にかかりやすく、うまい話にも乗せられやすいと思う。相手の思いを聞き入れ、信じてあげるという基本姿勢があるからである。加えて、退職金があるため、銀行からの借入が容易だと言われる。
 災難はいつ起こるかわからない。だからこそ、保険の内容をよく理解し、海外の保険とも比較して、真剣に検討することが必要だと感じる。
 大船渡市の子どもたちはどうしているのか、学校はどうなっているのかが気になって仕方がない。鎮火を祈るとともに、今後の支援の在り方を自分事として考えている。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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