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一刀両断 実践者の視点から【第640回】

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論説・コラム

投票の重さ

 いよいよ兵庫県でも検察が動き出した。立花氏の介入によって再選を果たした斉藤知事を支持した県民の判断が問われることになり、今後の展開が注目される。仮に嫌疑が固まり、有罪となれば、前例のない再選挙が行われる可能性がある。
 報道の在り方が見直されたとしても、家族を失った者たちの憤りはどのように解消されるのだろうか。
 もし支援が誤った選択であったとすれば、「知らなかった」では済まされない責任が生じる。兵庫県職員採用試験の辞退者が相次いでいるという。教育界を含め、広範な分野に深刻な影響を及ぼす可能性がある。不信感や怒りが広がれば、行政の機能不全を招くことも避けられないだろう。
 混乱は社会的に弱い立場にある高齢者や児童へと波及することが懸念される。そう考えると、投票という責任の重さについて、改めて真剣に向き合うべき時が来ているのではないだろうか。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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