大人も知らない? 日本文化のなぞ事典
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日本文化のなぞ研究会 編 藤井 青銅 監修
授業のネタにもなる豆知識
この世に「大人も知らない」ことは無数にある。知らないままでいても困りを感じずに過ごしていられるが、改めて「どうして」と問われると「そういえば、なぜかなぁ」と思う。だが、語源やその謎を突き詰めて調べたり考えたりすることはそうそうない。時間がないから? 他に考えたり調べたりすることが多いから? もし「昔から決まっていること」とあっさり片付けていたとしたら、探究心に欠けているということか。
本書は「大人も知らない」シリーズの最新刊。本シリーズは年齢を問わず人気のようだ。簡潔に解説されていて親しみやすく、イラストも楽しいものになっている。堅苦しさがなく、興味のあるところから読み進められる手軽さも人気のゆえんだろう。
例えば、「葬式の日、みんな『黒い服』を着るのはなぜか」が解説されているのだが、喪服はもともと白だったそうだ。それがなぜ黒い服になったのか。読めば「そうなのか」と物知りになった気分に。また、「『さようなら』の本当の意味は?」と問われる。答えられるだろうか。漢字で表すとどう書くのか、いつから「さようなら」と使うようになったのかと疑問が生じる。子どもに負けない好奇心を持って、大人も日本文化の面白さに触れてみてはどうか。それぞれの解説ページにはコラムもあり楽しく学べる。授業のネタにもなりそう。
(1100円 マイクロマガジン社)
(藤本 鈴香・京都市総合教育センター指導室研修主事)