増補改訂版「振り返りジャーナル」で子どもとつながるクラス運営 信頼ベースのクラスをつくる最高のツール
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岩瀬 直樹・ちょんせいこ 著
日々の思い 自由に記す実践
日々の振り返りを習慣化するために考案された振り返りジャーナル。この取り組みは四半世紀前に誕生し、全国で実践されてきた。著者は、振り返りジャーナルの発案者で軽井沢風越学園の校長・岩瀬直樹氏と(株)ひとまち代表のちょんせいこ氏。本書では、実践開始の手順、続けるためのコツ、振り返りを深めるためのポイントが丁寧に示されている。平成29年に初版が刊行されたが、改訂に当たり、軽井沢風越学園の中学生の記録などが新たに収録された。
振り返りジャーナルには、B5判の大学ノートを横半分に切ったものが使用される。このサイズは、1日分を5~10分で振り返るのに最適で、誰でも簡単に準備が可能だ。ノートには「何を書いてもOK」というルールがあり、子どもは評価から解放された状態で、素直な思いを自由に記録することができる。
本書には、実物のジャーナル写真が多数掲載されており、教育現場での活用法がリアルに伝わってくる。また、巻末の付録にはフィードバック未記入のジャーナルが例示されており、ワーク形式で適切なコメントの仕方を学ぶことができる。
振り返りジャーナルは「先生がファシリテーターとしての役割を果たさなければうまく機能しないツール」である。本書の手ほどきを受けて実践に取り組めば、子どもだけでなく、教師も自らの在り方を深く見つめ直す機会が得られるだろう。
(2530円 学事出版)
(井藤 元・東京理科大学教授)