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一刀両断 実践者の視点から【第637回】

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論説・コラム

医師の責任

 韓国の小学校で教員が児童を刺殺したという。どの子でもよかったなどと供述しているとされる。理解し難い事件で、この精神状況は常軌を逸している。
 問題は、医師が職場復帰を認めた点にある。これは日本においても十分に起き得る事である。
 医師の診断にはこうした危険性をいつもはらんでいる。その責任があるからこその職であり報酬を得ている。この責任を医師に問う事が出来るだろうか。
 例えば飼育員が危険性を理解しないで放置した動物が危害を加えた場合の管理責任は問われるだろうが、医師にはそれがほとんどの場合問われない。
 過去の例をみても明らかである。
 高齢の医師が集団接種をしていた時に針が突き抜けて腕の向こうに飛び出ていたことがあった。それでも医師を辞めたとは聞かなかった。この特権はなぜ許されるのだろうか。
 今回のような事件へと発展するのだから、もっと医師への責任を厳しく問うべきではないだろうか。甘すぎる。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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