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特別企画展「版画家が刻んだ昭和の彩り」開催

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企画特集

「第三景 三井と三越」(『昭和大東京百図絵』小泉癸巳男、昭和4年)

昭和館

 昭和館(東京都・千代田区)は、国民が経験した戦中・戦後の生活上の労苦についての歴史的資料・情報を収集、保存、展示し、次世代の人々にその労苦を知る機会を提供する国立の施設だ。同館は、3月15日~5月11日(前期3月15日~4月13日、後期4月15日~5月11日)まで特別企画展「版画家が刻んだ昭和の彩り―館蔵版画集を中心に―」を開催する。
 本展では、同館が所蔵する約600点の木版画の中から版画集に焦点を当て、版画家たちが木版画に刻んだ昭和の情景を紹介。
 展示内容は、プロローグとして明治末期から昭和初期にかけて誕生し、近代木版画発展の基礎となった制作方法の「創作版画」と「新版画」を紹介。次に、関東大震災からの復興と、コンクリート製の建物が建築され、近代化していく東京の街並みを描く版画集『新東京百景』や『昭和大東京百図絵』を展示。そして、戦時下における制作活動として『新日本百景』など慰問や国威発揚を目的とした版画集、銃後のくらしなどを描いた『支那事変版画』の肉筆画も展示する。さらに、戦後占領下における進駐軍と木版画の関わりや、版画家たちが戦前への回顧として描いた版画集『東京回顧図会』についても伝える。
 同展では、版画作りのワークショップや担当者による展示解説も開催。戦前から戦後にかけて制作された木版画は、昭和の街並みや人々の生活を写し取っている。この機会に、当時の日本の光景に思いをはせるのはいかがだろうか。
 ※前期と後期で一部展示資料の入れ替えを行う。

 問い合わせ=昭和館 電話03・3222・2577(10時~17時30分、入館は17時まで)
 ホームページ https://www.showakan.go.jp/

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