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実践事例で学ぶ 生成AIと創る未来の教育

17面記事

書評

小原 豊・金児 正史・北島 茂樹 編著
課題や評価、活用アイデアも

 令和5年7月に文科省は生成AIの利用についての暫定的なガイドラインを、翌6年12月に改訂版「初等中等教育段階における生成AIの利活用に関するガイドライン(Ver.2・0)」を公表した。「ガイドライン」を踏まえた生成AIを活用した教育や校務の具体的活動を模索する「リーディングDXスクール生成AIパイロット校」を指定して研究に着手するなど、生成AIと教育との関わりが動き始めている。
 本書は「学校教員のための生成AIによる教育実践の入門書」。生成AIが教育にもたらす影響や引き起こす課題を第1章「世界に何が起きているか?」で解説し、校務、授業準備、家庭学習が生成AIを活用することでどう変わるかを、第2章「未来の働き方を考える」で展望した。
 第3章「子どもの学びをどう創るのか?」はパイロット校などでの生成AIを用いた授業実践の紹介、学習活動への評価などを収め、小学校国語教材に生成AIによる画像や動画を活用した取り組み、中学校数学科で生成AIが作成した証明を生徒が添削する学習活動など、さまざまな活用アイデアに出合える。
 生成AIの有効活用には”問い続ける力”、生成されたものを事実かどうか判別できることを含め”正しくジャッジする力”も求められる。こうした力が身に付いているか、現状の教育を点検する指標にもなる。
(2310円 東洋館出版社)
(矢)

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