「有志の会」が院内集会 残業削減の必要性アピール
NEWS 教員給与特別措置法(給特法)の改廃に向けて活動している「給特法のこれからを考える有志の会」は4日、国会内で集会を開いた。教職の魅力を取り戻すためには残業削減が必要だと訴えた。今国会で給特法改正案について議論する際には、国による勤務実態調査の実施などを通じた継続的な見直しをあわせて検討するよう議員らに呼び掛けた。
会合では岐阜県立高校教員の西村祐二さん、ワーク・ライフバランスの小室淑恵代表取締役社長、明治大学の鈴木雅博准教授が登壇。約40人の議員らが集まった。
西村さんは、「これからの国会が教員の50年後までの運命を決める」と強調。改正案が成立しても、勤務実態調査を令和11年度までに実施した上で、継続的に給特法を見直すことを附帯決議に残すよう求めた。
小室さんは、十分な睡眠時間を確保するために、「11時間」の勤務インターバル義務付けの必要性を指摘した。その上で、管理職への360度評価の導入で勤務時間の改ざんを防ぐことや、将来的な給特法廃止の方向性を示すよう訴えた。
鈴木准教授は、県費負担教職員制度では市町村教委に時間外勤務命令を発しないようにするインセンティブが働かないとする中教審答申に反論。都道府県教委が労働時間管理に関して市町村教委に指導・助言する仕組みの必要性を指摘した。
時間外在校等時間を月30時間程度まで縮減するための「工程表」の作成や、改正法施行後3年後をめどに勤務実態調査を行い、長時間勤務や教員未配置が改善されていない場合は給特法の廃止を含めた抜本的な見直しをするよう求めた。
この他、授業の持ちコマ数の制限や学習指導要領の内容削減なども要望した。
出席した議員からは「業務の中身を精査して『やらないこと』を決めていくことが必要だ」「国私立では残業代を払っているのに公立だけなぜ払えないのか」などといった声が上がった。