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一刀両断 実践者の視点から【第625回】

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留学生による凶行

 法政大キャンパスでハンマーを振り回したとして留学生が逮捕された。気になるのは国籍を明記した報道である。国名を表記し、嫌悪感を持たせるためなのだろうか。その人物にフォーカスすればよいのであって国名を加える意味が分からない。
 ハンマーを持ち込み、殴ると言う行為は通常考えにくい。ハンマーなどの扱いは幼児体験などに影響されているのではないかと推測してしまう。
 無視されて鬱憤が溜まったと話しているようだが、その行為の及ぼす影響を考えるよりも怒りをぶつけたかったのだろう。
 この留学生は四年生という。在学中にこうした行為に至る予兆は何度もあったはずである。学生相談室へ誘う教師や仲間はいなかったのだろうか。
 本人に任されてお節介をしなくなった社会の惰弱さが孤立感や虚無感を増長させる事は想定出来る。
 こうした事件はあくまで人災でありどの大学でも起きる事なのである。
 以前に長崎の小学校でカッターナイフで同級生を切りつける事件があった。その際に校長が記者会見したが、しどろもどろで物議を醸した。
 事件を把握して記者会見に臨むにはそれ相当の準備が必要になる。大学のコメントがどの様にされるか注視したい。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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