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一刀両断 実践者の視点から【第623回】

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交通事故の多さ

 昨年末の韓国航空機事故から改めて過信の怖さと、予兆への真摯な対応が求められている事が感じられた。
 現段階ではバードストライクと言われているが、鳥を吸い込んだからといってエンジンが壊れると言う事が理解しにくい。想定されることであり事前対策はいくらでも出来たはずである。
 映像では、胴体着陸と見えたが、コンクリート壁に減速出来ないままで激突している。この事故を見て明らかに起こり得る事であったと感じられた。
 常に最悪を想定するのがリスクマネージメントの基本である。
 一瞬にして多くの命を失う事になった今回の飛行機事故であるが、日々起きている交通事故や電車の人身事故の数について考えると、子供の車との接触事故、未遂の数は計り知れない。
 どの学校でも必ずと言っていいほどに児童生徒の交通事故が起きている。
 初任の校長の時、初代校長の写真を見ながら、この方はと教頭先生に確認すると、「ご存命ですが」と顔を曇らせた。帰宅時に車で児童を車に巻き込んで途中失職されたと聞かされた。
 また、実力のある教員を管理職に登用しようと考えた時ストップが掛かった。彼も帰宅途中で人身事故を起こし相手は死亡、示談で収まった。社会的制裁を受けてはいるが、管理職登用には壁となった。
 それ以外にも数件の交通事故関係の過去を持つ教員や児童が存在する事が分かった。
 児童は突然飛び出す事が多い。動きを予測出来ないのである。まず今回の悲惨な事故を我が身に当てはめる鍛錬が必要なのではないだろうか。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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