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文科省、給食無償化の課題整理

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文部科学省

 文科省は昨年12月27日、学校給食の無償化実現に向けての課題をまとめ、給食を提供していない学校や不登校の児童・生徒には恩恵が及ばず、公平性に欠けるなどとする論点を示した。自治体による無償化の実施内容を踏まえて課題を整理した。
 給食無償化は、政府が令和5年6月の「こども未来戦略方針」で、実現に向けた課題を整理し、具体的方法を検討するよう求めていた。
 同省は報告で、不登校や重度のアレルギーがあるなどの理由で給食を食べていない児童・生徒は約61万人いるとしており、無償化すると児童・生徒間で公平性の問題が生じると指摘した。また経済的格差を是正する目的としても、生活困窮世帯に対しては既に国の制度で無償化されており、追加的恩恵はないと言及した。
 一部自治体が掲げている少子化対策としての効果についても疑問を呈した。少子化の状況には地域差があり、限られた財源の中で一律に実施することは検討が必要だとした。子育て支援や少子化対策の観点から自らの無償化施策を検証した自治体は少数だったという。
 報告では、自治体による給食費支援の大半を占める就学援助が一般財源となったことから、自治体間の財政格差を是正するために一律無償化を求める声もある、としながらも、財政力が高いほど給食無償化を実施している傾向は見られないと指摘した。
 給食無償化は、立憲民主党と日本維新の会、国民民主党の野党3党が法案を共同提出し、実現を目指している。

文部科学省

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