日本最大の教育専門全国紙・日本教育新聞がお届けする教育ニュースサイトです。

一刀両断 実践者の視点から【第621回】

NEWS

論説・コラム

学校と宗教行事

 この時期になると思い出す事がある。
 クリスマスの時期になると「本物」とされるサンタクロースが世界へと飛び回る。日本にもやってくる。
 知人から「成田空港から東京へ向かう途中に先生の学校に寄りましょうか」と好意で言われた。それは子どもが喜ぶだろうと校長に進言すると顔を曇らせ、「宗教だからな」と断る様に指導された。
 この「宗教」という視点が一貫していない事に疑問が湧いた。門松や神輿やプール開きの御神酒などは許されてサンタはよくないと言う論である。
 それは親からの指摘が一番の警戒なのだろう。節分で豆まきをする時には校長が鬼役を買って出る。さらに新施設では、鍬入れ式などどこまでが宗教行事であるかは学校の裁量に委ねられている。
 ハロウィンも地域の子供会とか盆踊りなど、生活に入り込んでお祭りになっている行事はある意味増えている。
 「サンタはダメ」としたこの校長の判断はどうだったのだろうか。私なら親からの対処は想定して、手を振って廊下を回ってもらっていたと思う。
 果たしてそれも罰する事がされるのだろうか。危に触れずの仕切り線を教委や校長は何を根拠に説明するのだろうか。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

論説・コラム

連載