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精神疾患の休職・休暇、1万3千人超える 最多を更新 人事行政調査

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 昨年度、精神疾患で休職した公立学校の教員は7119人(前年度比580人増)で、過去最多を更新したことが文科省の調査で分かった。精神疾患で1ヶ月以上の病気休暇を取得した人を加えると1万3045人(同848人増)に上る。代替教員の確保に苦しむ学校現場にとって、休職者の増加は深刻な課題となっている。専門家は業務の役割分担などの働き方改革が進まなければ、今後も増え続ける恐れがある、と指摘している。
 文科省が20日、令和5年度の公立学校教員の「人事行政状況調査」の結果を公表した。精神疾患による休職者7119人の内訳は小学校3443人、中学校1705人、高校966人、特別支援学校928人などで、いずれの学校種でも前年度より増えていた。教員全体に占める割合は0・77%だったが、精神疾患で1ヶ月以上病気休暇を取得した人を合わせると1・42%となり、20代では2・11%に上った。
 休職要因について教育委員会に尋ねたところ、最も高かったのが「児童・生徒に対する指導」(26・5%)で、「職場の対人関係」(23・6%)がそれに次いだ。
 病気休職者が増加すれば、学校現場にしわ寄せが及ぶだけでなく、代替教員の確保で自治体の財政的負担も伴う。文科省では、学校の業務の適正化や、保護者らからの過剰な苦情に対応する法務相談体制の整備などを進めるとしている。

「休職者対応に専門家を」
民間企業への産業医紹介を手がける「メンタルヘルステクノロジーズ」の刀禰真之介社長

 精神疾患による休職と1ヶ月以上の病気休暇を合わせて1・42%という数字は非常に高い。メンタルヘルス対策が取れているかどうか以前の問題として、学校は業務の役割分担などの働き方改革が進まない状況が続いており、効果的な手を打てなければ病気休職者は今後も増え続けるだろう。
 現在は、休職者の面談から復職に向けた対応まで校長が担っているが、専門家でない人に任せるのは間違いだ。校長も自信を持って言えず、戸惑っていると思う。経験のある産業保健師を入れて相談に乗ったり、必要であれば本人の誤った認識を正したりする必要がある。教育委員会は、外部窓口の設置ばかりに目を向けるのではなく、まずは学校内部で相談できる体制を整備すべきだ。

子どもへの性暴力も増加
 一方、調査では児童・生徒への性暴力で処分を受けた教員も157人(前年度比38人増)と増えていたことが分かった。児童・生徒への性暴力の根絶を目的に令和4年4月に教員による性暴力防止法が施行されたが、その効果が出ていないことが浮き彫りになった。
 処分を受けた157人のうち、免職は155人、停職は2人だった。教員の年代別では20代が73人で最多。30代が41人、40代が19人で、50代以上も24人いた。被害を受けたのは「自校の児童・生徒」が54・1%で最も割合が高かった。
 文科省では性暴力を行った教員を原則として懲戒免職とすることや、免許状を失効した人を記録するデータベースの活用を徹底することで今後の防止対策を進めるとしている。

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