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一刀両断 実践者の視点から【第617回】

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論説・コラム

子ども食堂と教員

 「子ども食堂」が増え、本年度は昨年度と比べ約1・2倍に登るという。私は定年後、薬膳料理店を始めた。独居の方にも配達をしてから大学講義に向かった。その傍ら子ども食堂の支援にも走った。
 千葉県松戸市から遠くは群馬県安中市へも赴いた。亜細亜大学の前学長が荻窪で子ども食堂を展開したので学生も派遣して応援した。
 子ども食堂に実際に出向いた教師の数はほとんど皆無と分かった時には驚いた。学校内の子どもの様子とは明らかに異なるその姿は関わらないと見えては来ない。学校の敷地内にあった学童保育施設にも可能な限り顔を出した。
 親を待つ子どもたちの姿に我が子を重ねた。共働きのためにいつも最後まで待たせていたのである。子ども食堂に来れる子はまだいいが、本当に来て欲しい子はなかなか顔を出さない。ましてや先生方が来ることは皆無に近い。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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