一刀両断 実践者の視点から【第616回】
NEWS図書館司書の安定雇用
日本図書館協会が学校図書館を含め司書の安定雇用を訴えているとのことである。経験豊富な司書が辞めざるを得ない場合があり、雇用制度の運用見直しが必要だという。この記事には同感である。
かなり前に政府派遣で海外の国々を訪問した。休み時間になると図書館は児童生徒で埋め尽くされる光景が欧州にも米国にも当たり前のように見られた。
比べて日本は「パラパラ」というような状況であった。
そうした国々で児童生徒は調査や課題を解決する為に来ているのかもしれない。
大学について考えると、両手に持ちきれないように本を持っている学生の姿とバイトに急ぐ日本の学生を比較すると明らかな格差が生まれている事に危機感を感じた事を思い出す。
青年時代に鍛えられておかないと社会に出てからでは難しい。その意味では海外の図書館司書のスキルは高く、自負を感じられた。
低賃金で形だけ整える我が国の姿勢は誰がそうしているのだろうか。こうした価値観の改革をしなければ日本の青年はバイトで疲れて授業中は寝ている為に、本来この時にやらねばならない事を失っているように思えてならない。
私は昼間働き夜間部と通信教育で教師になったので昼間部は知らないが、違和感を感じてしまう。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)